日本が世界に誇る酒である日本酒ですが、どのようなお酒なのでしょうか。アルコール度数は平均15度ほどで、ほかのお酒に比べて高い度数のお酒です。土地柄などで味に個性が出るともいわれる日本酒。今回は日本酒の正体について、詳しく解説していきます!
日本酒の歴史
名前に日本が入っていることからもわかる通り、発祥は日本からです。風土記には米を原料にした最古のお酒である口嚼の酒のことが記述されています。このお酒は米を噛み、唾液に含まれるアミラーゼなどの分解酵素で米のでんぷんを糖に変換させて、空気中の酵母で発酵させてできたものです。アミラーゼを使って、製造工程の糖化を済ませていたようですね。初めて日本酒が作られたタイミングは明確ではありませんが、平安時代ごろには行事の時に飲む酒を作る造酒司(みきのつかさ)という組織が設立されます。奈良県から発祥した清酒は、「米で雨が濡れてカビが生えたため、その米を醸して酒を作った」というような内容の記述があることから、それが日本酒に関する最古の記録と言われています。当時から本格的な製造がはじまり、少しずつ醸造の技術が向上していきます。
現在とほぼ同じ日本酒の製造方法が江戸時代中期ごろには確立したようです。この頃には、一般的な農村でも日本酒が製造されるようになり、幕府による統制も行われるようになります。日本酒の販売・製造の促進によって日本酒はより庶民に身近な存在になっていきました。
こういうのは大体偶然が生み出すよね!
日本酒の製造方法
日本酒は醸造酒の仲間で、酵母によりアルコール発酵させて作られます。製造順番は「精米・蒸米、麹造り、酒母、段仕込み、もろみ造り、上槽・ろ過・加熱、貯蔵、瓶詰め」の順に行われます。
精米・蒸米
日本酒のもととなる玄米を精米し蒸します。
麹造り
蒸した米に黄麹菌を植えて麹を作ります。麹はでんぷんを糖分に変化させる働きを持っています。
酒母造り
酒母は蒸米、麹、水に酵母を加えたものです。
段仕込み
3回に分けて仕込みます。4日間をかけて仕込み、酵母の増殖を促し、雑菌の繁殖を減らします。
もろみ造り
この酒母に麹、蒸し米、水をいれて、もろみを仕込みます。
上槽・ろ過・加熱・貯蔵・瓶詰め
20日ほどかけて発酵させたもろみを圧縮機で絞り、酒と酒粕を分けます。絞りたての酒を濾過、加熱し、貯蔵します。
大変な工程だ!
日本酒を飲むメリット
メリット:血行がよくなる!
日本酒には「アデノシン」という成分が含まれています。アデノシンは血管を拡張させる働きがあり、その影響で血流がよくなります。肩こりや疲労回復、冷え性に効果が期待できます。
メリット:美容にいい!
日本酒の製造には麹が使用されます。麹菌には細胞を活性化させる働きがあるので、肌のしわやはりを取り戻す効果が期待できます。血行が良くなることも肌にはいい効果があると考えられます。またポリフェノールも含まれているので、メラニンの生成を抑制する働きもあります。飲みすぎなければ美肌効果にも期待できそうです。
メリット:病気予防にもなる!
醸造酒である日本酒には、有機酸、糖分、アミノ酸、ビタミンなど微量栄養素が100種類以上も含まれています。これらの中に、病気予防や健康維持に効果がある物質が含まれています。肝臓に効くグルタチオン、血圧上昇を抑えるペプチドなど、日本酒には含まれています。
メリットがたくさんだね!
日本酒の有名な産地
日本酒の有名な産地はどこなんでしょうか。日本には日本の三大酒どころというものが存在しています。兵庫県の灘、京都府の伏見、広島県の西条の三つの地域で盛んにお酒を生産しています。それぞれの地域ごとに日本酒の風味に個性があります。
灘の日本酒の特徴は力強い酸味と辛口な味わいで、これらの特徴から「男酒」と呼ばれることもあります。
伏見の日本酒は、フルーティーで柔らかい味わいが特徴で、これらの特徴から灘の日本酒と比較して、「女酒」と呼ばれることもあります。これは「灘の男酒、伏見の女酒」と呼ばれています。
西条の日本酒はきめ細やかな味わいが特徴で、さまざまな種類の日本酒が作られています。最上の水は酒造りに適していない軟水で、麹などが発酵しづらい状態でした。ここでできるだけ麹を育て、米の糖化も進めることで、「軟水醸造法」で米の味わいなどを生み出すことに成功しました。
軟水でもあきらめずに研究し続けたひとに感謝!
おすすめの日本酒!
日本酒の中にはたくさんの銘柄存在し、それぞれがかなり個性的な味わいを持っています。そのため、どれが一番と決めるのはなかなか難しいお酒だと思います。そのため、自分自身でいろんな日本酒にアタックしてみることをお勧めします!熱燗のような楽しみ方もできますので、見かけたときはぜひ飲んでみて!
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