春の時期になるとスーパーで見かける野菜、アスパラガス。独特な香りや味で苦手な方がいる野菜でもあります。そんなアスパラガスを色々な視点で調べてまとめてみました!
アスパラガスには何が入っているの?~成分について~
アスパラガスの栄養素は下のグラフのようになっています。
大根100gあたり水分の量が92.6g、炭水化物3.9g、タンパク質2.6g、脂質0.2g、その他0.7gとなっています。その他の内訳は下の表のようになっています。
ナトリウム | 3mg |
カリウム | 310mg |
カルシウム | 21mg |
マグネシウム | 10mg |
リン | 66mg |
鉄 | 0.7mg |
亜鉛 | 0.5mg |
銅 | 0.11mg |
マンガン | 0.22mg |
ヨウ素 | 1μg |
モリブデン | 2μg |
αーカロテン | 5μg |
βーカロテン | 370μg |
βークリプトキサンチン | 8μg |
αートコフェロール | 1.5mg |
γートコフェロール | 0.2mg |
ビタミンK | 43μg |
ビタミンB1 | 0.14mg |
ビタミンB2 | 0.15mg |
ナイアシン | 1.0mg |
ビタミンB6 | 0.12mg |
葉酸 | 190μg |
パントテン酸 | 0.59mg |
ビオチン | 1.8μg |
ビタミンC | 15mg |
アスパラガスは幅広い種類のビタミンを持っています。その中で注目すべきものは葉酸です。葉酸とはビタミンB群に属すもので赤血球の生産を助ける役割を持っています。また、タンパク質や核酸の合成を促進し細胞の生成、再生を助ける役割をもっています。葉酸は細胞の成熟には欠かせない成分なので胎児にとって重要な栄養成分だともいえます。一日の摂取量は成人男性では240㎍といわれています。(※3)アスパラガス100gで190μgとることができ、一日に必要な量の近くをとる事が出来ます。
次にアスパラガスの栄養として有名なものとしてアスパラギンサン酸があります。アスパラギン酸は非必須アミノ酸の一種です。名前の由来はアスパラガスから発見されたアミノ酸だからです。アスパラギン酸はクエン酸の働きを間接的に活性化させ、乳酸の分解を進める働きをもっています。このことによって疲労回復や体の冷えの対策になるといわれています。
高校の化学で習うアスパラギン酸こんな名前の由来があったとは!
アスパラガスはどこで作られる?~産地について~
世界では中国が大半の生産を占めています。二位のペルーが370,532 tに対して中国は日7,311,235 tといわれており一桁多く差を開いています。日本国内では北海道が収穫量、生産量ともに一位となっています。2位と3位は熊本県、佐賀県という順番になっています。(※3)アスパラガスは冬季に休眠し寒い気候があっています。そのため北海道は栽培に適した場所といえます。また、アスパラガスは多年草であり一つの株から10年以上も収穫できると言われています。栽培方法は露地春どり栽培、半促成長期どり栽培、トンネル栽培があります。
多年草の仕組みはエコなんだな~
アスパラガスの人生?~歴史・起源について~
古代ローマとギリシャで古くから栽培されていたといわれています。中世では痛風に効く食材として重要視されていました。日本へアスパラガスが渡ってきたのは江戸時代に鎖国体制の中、貿易をしていた国の一つである、オランダから鑑賞用として輸入されたときです。その後明治時代には食用化されました。栽培が始まったのは大正時代でした。その時は今、よく目にするグリーンアスパラガスではなく、ホワイトアスパラガスと呼ばれるものでした。グリーンアスパラガスが生産されるようになったのはその後の昭和後期になります。
日本到来時の使い道が観賞用とは!
アスパラガスにはどんなものがあるの?
グリーンアスパラガス
皆さんがアスパラガスと聞いて1番初めに思い浮かべるのがこのグリーンアスパラガス、通称「ウェルカム」です。病気には少し弱いものの育てやすく、全国的に栽培されていて、全国の9割のアスパラガスがウェルカムだと言われています。芽が出るまで日光に当てられるため、緑色に変化します。また、栄養素も高いといわれます。
ホワイトアスパラガス
光が遮断された土の上で育てられたアスパラガスがホワイトアスパラガスといわれています。青臭さがなく少し甘みがあり、ジューシーな味わいとなっています。しかし、通常のアスパラガスと比べて栄養が少なく、傷みやすいため流通が難しいのが弱点です。とれたてでゆでたものはとてもおいしく、缶詰として流通しています。
紫色アスパラガス
紫アスパラガスは通常のアスパラガスに紫いろの成分、アントシアニンが多く含まれているものを指します。時間がたったり、ゆでてしまうと緑色になるので扱いには注意が必要です。味はグリーンアスパラガスと大きく変わらないため、料理の見栄えをよくするためにレストランなどで使われます。
ミニアスパラガス
グリーンアスパラガスを早い段階で採取したものを指します。皮をむかずに食べることできるので下処理が簡単というメリットがあります。
こんなにたくさんの種類があるなんて!
アスパラガスのおいしい食べ方とは~料理について~
アスパラガスを調理する前には下処理をする必要があります。茎の部分には硬い芯のようなもんのがあるためアスパラ全体の三分の一の皮をむく必要があります。芯を取り除いた後はゆでるほかに耐熱容器に入れてレンジで三分ほど温めることによってゆでたときと同じ味わいのものが作れます。
アスパラの豚肉巻き
下処理したアスパラガスに豚肉のロースをななめに巻き付けます。この際、片栗粉を使って形を焼いたときに崩れにくくしています。醤油、みりん、砂糖をつかったソースを作り、火を通したアスパラガスと一緒に煮付けます。
芯があると少し硬い食感になってしまうな~
※1「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」 https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html?_ga=2.36550816.1458638446.1710654005-1817064741.17105109921710510992
※2厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
※3農林水産省「作物統計」
コメント